行方不明者を法律上死亡とみなす

失踪宣言という言葉は誰でも聞いたことがあると思います。不在者の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てることによって、法律上、行方不明者を死亡したものとみなす制度です。生死不明が7年間続いたときの普通失踪と、戦争や飛行機事故などに遭遇したが死体を確認できずに1年以上経過したときの特別失踪があります。失踪宣言が出されると死亡したものとみなされるので、相続が発生するし、配偶者は再婚をしても重婚にはあたらないことになります。また、失踪宣言がだされた後に生きていたことが分かった場合には取り消しを請求することも可能です。牧草地03

実務上の利用法としては、相続人が行方不明の場合に使われます。相続が発生して遺産分割協議を行おうとしたけれども相続人が行方不明であるというとき、隠してこっそりと遺産分割協議書を作成してしまおうなどということはできません。例えば、亡くなった方から相続人に不動産の名義を変更する場合には、遺産分割協議書と戸籍の添付が求められるので、相続人全員で遺産分割協議が行われていないことがわかってしまい、登記の申請は却下されてしまいます。よって、行方不明者には失踪宣言を家庭裁判所から出してもらう必要があるのです。ただし、失踪宣言が出されてしまうとその人にも相続が発生するという点には注意が必要です。